「花かんざし」第3号
舞踊団・機関誌のごあんない
– 沖縄の純粋な心と姿を伝承 –
ごあいさつ – 川田禮子
本日はご多用のところ、わざわざおはこびくださいまして、まことに有難うございます。さて、最近とみに舞台芸術の技巧が複雑多様になってきつつあります。ある意味では、それはたしかに進歩かも知れません。しかしその反面、芸術の魂は喪失の一途を辿りつつあることも、残念ながら事実ではないでしょうか。
ところで、琉球の古典舞踊には、内地のかぶき踊の初期草創のエネルギッシュな魂が、まだ生き生きと脈うっています。もちろん、古い時代のかぶ踊がどんなものか、十分な証明はできません。しかし「歌舞伎草子」や「国女歌舞伎絵詞」などを見ていると、現在の歌舞伎や日本舞踊などより、琉球舞踊の曲線的な柔らかい動きのなかに、当時のかぶきぶりを彷彿とさせるものがあります。(本誌に続く..)
第二十一回文部省芸術祭参加
冠船流川田琉球舞踊団公演
ところ:梅若能楽学院会館
とき:昭和41年10月26日(水)、27日(木)
寄稿
- かぶきさうし再現 – 三隅治雄
- 歌舞伎草子とは – 吉永淳一
- 芸術祭参加公演に際して – 井坂行男
- 琉球舞踊江戸上り – 池田彌三郎
- あの頃の禮子ちゃん(三) – 伊波南哲
発行日:昭和41年10月26日
発行元:琉球文化守礼会